ハッカ油とアロマオイルで最強の虫除けスプレーを自作する

シトロネラキャンドルには虫除け効果なしの記事を読んで

数年前からシトロネラによる虫除け効果を謳った虫よけスプレーやキャンドルを多く見かけるようになりました。

 


キャンドルなんかはホームセンターのプライベートブランドでも作っちゃうくらい勢いのある感じでシトロネラ自体にとても興味を持っていたのですが、シトロネラキャンドルは蚊よけに効果なしという記事を発見。

虫除けキャンドルには効果無し! 蚊除け製品の効果を科学的に検証した結果(外部サイト)

ニューメキシコ州立大学の研究チームは、最も効果がある蚊除け製品を見つけるため、パティオで涼みながら蚊に刺される危険を再現する科学的実験を行った。

『Journal of Insect Science』誌に発表されたこの研究では、一般的な11種類がテストされた。実験の結果、忌避剤として一般的に使われるディート(DEET)入りの製品や、ピレスロイド系殺虫剤「メトフルトリン」を内蔵ファンで拡散させるクリップ留めのウェアラブル式蚊取り器、レモンユーカリ精油入りスプレーは効果があったが、シトロネラキャンドルやハーブブレスには効果がないことがわかった。

マジか。

キャンドルにしてしまうと効果がないのか、シトロネラ自体に効果がないのか、これだけいろいろ製品化されているのに本当に効果が全くないなら金返せって話になりそうだけど。

 

シトロネラにも種類がある

昆虫忌避作用(蚊が嫌がる匂いの成分)に、シトロネラールシトロネロールという成分があります。

名前からしてシトロネラにいっぱい入ってそうな感じですが、「シトロネラ」として売られているものにはほとんど入っておらず、「シトロネラ・ジャワ」として売られているものにはたくさん入っているらしいのです。

 

シトロネラ:シトロネラール3~10%、シトロネロール0%、計3~10%

シトロネラ・ジャワ:シトロネラール35~40%、シトロネロール10~15%、計45~55%

 

シトロネラジャワ型。

どれもインドネシア産だからジャワ島で採れたもののことなんだろうなと思いつつも、ジャワ産だからジャワなのか、ジャワ島に主に生息している亜種のことなのか、そういったところまでは調べきれませんでした。

 

http://naturalcareyokoso.blog.fc2.com/blog-entry-30.html

ちなみにそれぞれの成分についてはこちらのサイトを参考にさせていただいたのですが、

ユーカリ・レモン:シトロネラール70~85%、シトロネロール3~10%、計73~95%

シトロネラより有効成分多いのにシトロネラより安い。

ユーカリレモンめっちゃ優秀やん!

 

他にもアブやブヨ(ブユ)に効くケトン類のカンファーという成分を含む精油があったり、クローブに含まれるオイゲノール、ハッカ油に含まれるℓ-メントン等、様々な虫よけ成分があることがわかりました。

 

ハッカ油とアロマオイルで最強の虫除けスプレーを自作する

アロマオイルだけ混ぜるのはやめた方がいい

精製水と無水アルコールで薄めて使うのが一般的ですが、濃いままの方が効果が強いんじゃないかと思って精油だけで調合してティッシュに染み込ませたものをザックにぶらさげて登山に行ってみたことがあります。

失敗でした。

人体に対する影響が強すぎるw

ハッカ油の揮発が強すぎて屋外なのに目がスースーするし、肌に触れると赤くなるし(若干皮膚弱め)、帰りはビニール袋に入れてたにもかかわらず車内がスースー、目がスースー。

帰宅後虫(主に蜘蛛)が多く出る車庫の中に置いておいたらいくらか効果あるかもしれないと思って入れてみたところ、「すごいにおいがする」とご近所さんが騒ぎ出す事態にw

たった1滴でもあれだけ香るアロマオイルをあれもこれもとボタボタ混ぜたものの破壊力はすごかったです。

 

ベースはシーブリーズがおすすめ

やっぱちょっと薄めたほうが使いやすいなってことで、通常だと精製水+無水アルコール+精油で作りますが(アルコールを入れることによって本来混ざらない水と油が多少混ざりやすくなります)、いろいろ試した結果シーブリーズ最強です。

 

メマトイっていうヒジョーにウザい虫の対策を調べていたところ、シーブリーズにハッカ油を混ぜたものが良いという情報がありました。

なぜシーブリーズなのか。

 

 

 

天然植物香油成分(ハッカ油、ユーカリ油、チョウジ油、オイゲノール)配合。

ハッカ油は抗菌、抗ウイルス、冷却、消炎鎮痛、虫除けとかなり多才。

ユーカリ油は殺菌効果と防虫効果。

チョウジ油(クローブ)は虫除け成分オイゲノールたっぷり。

チョウジ油とは別に?更にオイゲノール盛ってるような書き方だ。

dl-カンフルは消炎、鎮痛効果のある成分。

安息香酸は保存料かと思ったんだけど有効成分のところに書いてあるから抗菌作用かな。

精製水。

エタノールは水と精油が混ざるようにするためのもの。

水酸化ナトリウムはPH調整で添加してると思われる。

香料。

以上。

シーブリーズっておっさんがスースーしたいがために使うやつってイメージだったけど、100年以上の歴史があって海外では薬(日本で言うところのオロナイン的な万能薬)として使用されているらしい。

デフォルトで虫除けとしての成分がいろいろ入っていて、精製水や無水アルコールを用意する必要もなく、余った分は本来の使い方もできます。

 

シーブリーズにもいろいろあってデオ&ウォーターってやつで作ってるレシピもありました。

ヴァーベナにも虫除け効果があったと思いますが、成分表見てみた感じだと基本消臭・消炎目的の成分が多く、虫除け効果のある成分が全く無いわけではないのですが元祖シーブリーズと比べちゃうとショボいと言わざるを得ない感じです。

 

材料

ダイソーで買ってきたスプレーボトル。

高濃度のアルコールを入れるわけではないので材質は何でも大丈夫そうな気もしますが、念の為アルコールOKな材質のもの(PP(ポリプロピレン)とPE(ポリエチレン)は大丈夫)を買ってきました。

ピペット(注射器型スポイト)は調合する際あると便利ですがなくても全然大丈夫です。

 

上段左から、

精製水(今回のレシピでは使わず)、無水エタノール(今回のレシピでは使わず)、シーブリーズ、ユーカリレモン、シトロネラ・ジャワ型、

下段左から、

ハッカ白油、クローブ、ローズマリー、カンファー、セージ、ローズゼラニウム、レモングラス。

 

肌に直接かける用レシピ

長期保存はできなさそうなので少なめ(30ml)で2本作りました。

1本はシーブリーズ+ハッカ油のみで肌に直接かける用で、シーブリーズ30mlに対しハッカ油を10滴ほど入れます。これ以上いれると分離して混ざりません。

シーブリーズに対しハッカ油が約1.5%の調合割合なので他の方のレシピと比べると少なく感じるかもしれませんが、実際肌にかけるとこれでも結構強烈です。

あと私はハッカ油を直接肌に付けると首とか皮膚の弱い部分は赤くかぶれる体質なので少なめにしてるというのもあります。

 

私のレシピ 物にかける用

もう1本はシーブリーズ+アロマオイルいろいろミックスで、帽子、ザック、服の上から使う用です。

シトロネラール

シトロネロール

シトラール

カンファー

オイゲノール

有効成分をバランス良く、効率良く配合させるために~

って言うほど厳密にやったわけではないのですが、一応考えながら調合しました。

 

■シーブリーズ 30ml

■多めに入れるやつ(10滴前後)

ユーカリ・レモン、シトロネラ・ジャワ

■少なめに入れるやつ(1~3滴程度)

クローブ、ローズマリー、カンファー、セージ、ローズゼラニウム、レモングラス、ハッカ油

 

上記を基準に実際に匂いを嗅いでみて好きだと思ったら多めに、キツいっすーって思ったら少なめに、合計30~40滴位を目安に調合します。

これだけ入れると混ざりきらないので使用前にちょっと振りましょう。

皮膚への刺激が強いものも使っているので直接皮膚に付かないようにするのと、禁忌事項のあるものもありますのでそれぞれ良く調べてから使用することをおすすめします。

 

 

感想

市販の虫除けスプレーのようにいつまでも嫌な臭いが残るようなことがなく、使用感はいい感じです。

子供達も「いいにおいがするから」と言って手作り虫除けスプレーの方を使いたがります。

実際の効果を検証すべく、左半身に自作虫除けスプレー、右半身に市販の虫除けスプレーを付けた状態で登山に2回行ってますが、1回目は全く刺されず、2回目は左右1ヶ所ずつでドロー。

メマトイに付きまとわれることも減った気がします。

 

ベースは断然シーブリーズがおすすめ。

 

ハッカ油はできれば天然の、食品添加可能なものがおすすめ。

 

ユーカリ・レモンとシトロネラ・ジャワは多めに使うので大きめのものを。

ここまでのものだけでも蚊除けとしてはかなり優秀なものが作れます。

 

クローブバッドの方が一般的に使用されていますが、クローブリーフの方がオイゲノール含有用が高いです。今回紹介する材料の中で一番強烈な匂いです。

 

ローズマリー・シネオール(カンファー5~15%)ダニに特効。

 

カンファーホワイト(カンファー約50%)

カンファーはケトン類に分類されますが、妊婦さんNG、乳幼児NG、老人NG、てんかん患者NGと、禁忌事項がいろいろありますのでよく調べて使用するか、心配な方は使わないほうがいいと思います。

 

セージにはカンファーの他ツヨンという成分が多く含まれます。

ツヨンは猫にとって分解のできない毒らしいので、猫を飼ってる人はやめておきましょう。

 

ローズゼラニウムと書いてありますが、ゼラニウムと一緒らしいです。

ゼラニウムにはチャイナ、エジプト、コルシカ、ブルボンと産地によって特徴や成分が若干変わってくるようです。

いずれもシトロネロールの含有量がそこそこあるのですが、どちらかというと香りのアクセントとしてバラの香りをちょっと追加するようなイメージです。

 

レモングラスにはシトラールという成分が70~80%入っています。

蚊除け効果はシトロネラールなんかと比べると若干効果は劣るようですが、これをちょっとだけ入れるとシトロネラジャワのまったりとしたにおいがシャキッとした爽やかなにおい変わる気がするので入れてます。

 

 

最強の虫除けスプレー!なんてタイトルに書きましたが、虫のハングリー具合によっては何をどうやっても避けられない場合もあるので、完璧を求めたり追求したりするのではなく、ハンドメイドを楽しみながらやってみるのがいいと思いますよ。

 

 

用意したけど結局使わなかった無水エタノールはカメラの手入れ等に使います。

 

精製水は車の窓拭きにおすすめ。

車のフロントガラスの内側ってガラスクリーナーを使っても水拭きをしても拭いたあとが残りやすいじゃないですか。

水拭きでものこっちゃうのは水道水に含まれる塩素やミネラル等が原因らしく、それらを含まない精製水を使うとビックリするほどクリアな窓になります。

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