熊除け鈴の効果について

熊除け鈴は効果がないと言ってる人の理屈

熊除け鈴は効果なし!

だって鈴付けてたって熊に遭遇したり襲われたりしてる人いっぱいいるじゃないか!

ってブログとかに書いてる人たまにいますが、そういう人は最後に必ず熊よけスプレーを薦めて、

 

アフィリエイト貼ってたりします。

要は熊スプレーを積極的に売りたいがために熊除け鈴の効果を否定しているわけです。

 

車でシートベルトしてても死亡する人はいるんだからシートベルト効果なし!

って言ってるのと同じような話ですよw

 

なるべく熊に会わない確率を上げるために熊鈴は使った方がいいです。

 

熊鈴が通用しない熊の割合

最近は熊鈴やラジオで音を出しても除けてくれなかったり、むしろ興味を持って寄ってくるような問題個体が増えてきているというような情報もありますが、割合で言えばかなり少ないです。

どのくらい少ないか。

平成24年の北海道渡島半島のヒグマ推定生息数は約1500頭。

同年同地域で問題個体(人間活動に実害を及ぼしたり、人間に積極的につきまとったり、人間を攻撃する個体)の推定数は約80頭。

※いずれも最大値と最小値の平均値です。あと問題個体数の対象地域は11町村限定なので=渡島半島全域ではないのですが、11町村に熊の生息密度の濃い地域はほぼほぼ含まれているので誤差の範囲とします。

 

問題個体は全体の5.3%位。

 

熊も100頭いれば中にはおかしいのが5~6頭いるってことか。

ただ問題行動起こす個体は積極的に駆除されるので、実際に自然界に残っている確率は5.3%よりもっと低いと予想されます。

問題個体80頭っていうのも同じ個体が別のところで悪さしたのが重複でカウントされちゃってるパターンも結構あると思うので、いろいろ考慮すると実際は100頭に1頭いるかいないか位じゃないのかな。

 

ちなみに北海道野生動物研究所所長の門崎さんは、一般人を襲う熊の存在率は2000頭に1頭と言っています。

 

登山者の被害

最近は熊が出る可能性があるような山に行くのは登山の時だけです。

ヒグマによる登山者の人身被害ってどのくらいあるのか調べてみたところ、

昭和39年 2名

昭和45年 3名

以降平成27年まで45年間被害なし。

 

活動内容別の被害者割合は一番多いのが狩猟・駆除で41%、山菜・キノコ採りが24%、山林活動14%、農作業7%、登山4%、川釣り3%、その他7%でした。

 

完全に熊のテリトリーで熊の巣みたいなところを通過する登山道も多々ありますが、他の活動より事故が少ないのは、

・熊鈴の使用率が高い

・決まった道しか通らないので熊があそこは人間が通る道と認識して避けている

こんな感じだと思います。

 

現状100%の熊対策はない

音を出す

熊鈴やラジオなどで音を出し人間がいることを伝えて熊に回避してもらう方法。

前記した通り多くの熊に有効です。

ただ、極稀に人の気配を察して寄って来るような問題個体もいます。

 

猟銃

以前は猟銃持ってたら熊など恐れるに足りんだろうと思ってましたが、いきなり襲ってくる熊に対しては全くもって無力です。

猟銃はケース(背負う用のカバー)に入れて、弾は抜いた状態で持ち歩かなければなりません。

獲物を発見して、安全に撃てる場所だと確認ができてはじめてケースから出し、弾を入れることができます。

 

大人のヒグマが走る速度は時速約60キロと言われています。

100mは6秒切ります。

50m先に熊を発見。向こうもこちらを認識したと同時に猛ダッシュ。数秒後には熊パンチを食らう。

日頃訓練(銃をケースから出し弾を入れて構えるまでの反復練習)をしているハンターさんでもそれを4秒でやれと言われたらかなり厳しいと思います。

 

熊撃退スプレー

これも熊がいきなり襲いかかってきたら安全ピンを抜く間も与えられないわけですが、にらみ合いになってしまった場合持っているのと持っていないのでは雲泥の差です。

私は実際に噴射したことがありますが、「シューー」ではなく「ボフッ」って感じで勢いよく出るものの実際の射程距離はそれほど長くはなく、確実に顔に当てるには5m位まで近寄ってくるのを待たなければなりません。

 

資格や許可がなくても持てる物としては強力なものですが、向かい風では自爆するので使えませんし、誤射誤爆(あまり聞いたことはありませんが、安全ピンが外れてしまって車内などの密閉空間で誤作動してしまったら大事故です)のことも考えるとかなり気をつけて取り扱わなければなりません。

 

ナタなど

これはもう襲われてしまった場合の最終手段ですが、ナタ、鎌、棒、そこいらに落ちている石など、何でもいいので抵抗したら熊が逃げていったという事例は結構あります。

ただこれ、狩猟や山菜採りなら腰にナタぶら下げていてもそれほど違和感感じないけど、登山者がでかい刃物携帯してたら他の登山者がギョッとすると思うんですよね。

 

だったら見た目でわからないようにザックの中に忍ばせて、なんてことをしたら有事の際に取り出す間もなくやられてしまうし、持ち歩くのにも銃刀法が関係してくるので(正当な目的があれば所持して問題ありませんが、目的後車から下ろすのを忘れて積みっぱなしにしてたりすると逮捕されます)注意が必要です。

 

ちなみに函館の方の山でヒグマに襲われた消防士さんがナイフで撃退したってニュースを見てどんなナイフ使ったんだろうって気になってたんだけど、消防で勤めている義弟から

「ホーマックで買った980円のナイフ」

という情報を得ました。

十徳ナイフみたいなやつだろうか。

おもちゃみたいなナイフでも銃刀法や軽犯罪法に引っかかる可能性があるので注意が必要ですが、それで命が助かる可能性があるなら用意しておいた方がいいかもしれません。

 

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