結論から言っちゃうと、これだけアジアンタイヤのレベルが上ったら値段倍以上する国産タイヤなんて馬鹿臭くて買えんよね。
というのが正直な感想です。
国産タイヤとアジアンタイヤ ガチンコ比較
同じタイヤサイズ、同じホイールで国産タイヤとアジアンタイヤを実際に走って比較しました。
■車両 20アルファード ANH25W
■タイヤサイズ 235/50R18(純正サイズ)
■ホイール アルファード純正18インチ
国産代表 ダンロップ ル・マン ファイブ(DUNLOP LeMans Ⅴ)
アジアン代表 ミネルバ(MINERVA)F205
比較項目は以下の5種目で、10点満点で採点して最後に価格(コスパ)も考慮して最終判断します。
・デザイン
・実測燃費
・静粛性
・走行安定性・グリップ
・乗り心地
XL(エクストラロード規格)タイヤの空気圧について
アジアンタイヤの多くはXL規格(エクストラロード規格)で、日本で一般的なJATMA規格とは適正空気圧が違います。
一般的に指定空気圧より1割多く入れておけばOKってことになってますが、厳密な適正値が知りたかったのでブリヂストンの空気圧別負荷能力対応表で調べてみました。
ダンロップのルマン5は235/50R18 97W
ミネルバF205は235/50R18 101Y EXTRA LOAD
LIが97で空気圧が240の場合の負荷能力は730kgなので、対応表のエクストラロード規格のところのLIが101で負荷能力が730kgの空気圧は、、
735kgで空気圧250ってのが一番近い。
ってことで今回の比較実験では、ダンロップルマン5は240kPa、ミネルバF205は250kPaでやっていきます。
デザイン比較
左のハイグロスカラーの方がミネルバF205で、右のノーマルカラーの方がルマン5です。
アジアンタイヤはリムガードが付いてなかったりすることも結構ありますが、ミネルバF205にはリムガードも付いてますし見た目は大差ありません。
左が約1,000キロ走ったミネルバで、右が未使用のル・マン5です。
ミネルバ溝の深さ少なくね?とこの写真を見て思ったので計ってきたのですが、ルマン5が約8ミリ、ミネルバが約7ミリ(素人採寸で多少の誤差あり)だったので、光の加減と汚れ具合によるもので気にする程の差はありませんでした。
トレッドパターンはこんな感じで縦溝だけ見ると似たような感じですが、ルマンの方がスリットやサイプ(横溝)が多いです。
ルマン5 → コンフォートタイヤ
ミネルバF205 → スポーツタイヤ
そもそもジャンルが違うタイヤなのでここは違って当然かなと思います。
メジャーなアジアンタイヤメーカーだとパッと見でアジアンだとバレてしまい、ちょっと恥ずかしいなと思う気持ちは理解できます。
ハンコックって書いてあったらちょっと減点したいところですが、今回はミネルバというコンチネンタル社傘下のベルギーの会社のタイヤで良くも悪くもそれほど知名度がないのでその点は問題ありません。
ってことで、デザインは引き分け!
国産10点 アジアン10点
実測燃費比較
国産タイヤ代表ダンロップルマン5 2021年10週製造
燃費比較をする前に約300キロの慣らし走行をしながらいろいろ確認しました。
アジアンタイヤ代表ミネルバF205 2022年4月製造
約1,000キロ走ってます。
高速道路8割、一般道2割のあらかじめ設定した約110キロのルートを走行し燃費計算しました。
実燃費は満タン法による計測で、誤差が出ないようセルフスタンドで自分であふれる寸前ビチビチまで入れます。
エアコンは使わず、途中どこにも寄らず、気温も同じくらいとかできる限り条件を揃えて行いました。
ダンロップルマン5
走行距離111.3km 給油量10.68L
燃費計で10.8km/L 実燃費は10.42km/L
あれ、同じルートなのに400mの差が。。
なんでだろう。タイヤの経や外周が微妙に違うのかな?
まーいいや。
ミネルバF205
走行距離109.9km 給油量11.37L
燃費計で10.4km/L 実燃費は9.67km/L
10.42と9.67ってことは、7~8%位差があるってことか。
ただこれ、ミネルバの時に途中雨が降ったんですよ。
降らない予報だから行ったのに、距離で言うと半分くらい、しかも強い時はバケツをひっくり返したみたいな強雨でした。
一般的に雨天時は燃費が1割程度下がると言われています。
走行距離の半分位雨だったので5%位影響を受けたと仮定して計算してみると、、
10.15km/Lか。
それほど大きな差ではありませんが、燃費は国産タイヤに敵わないようです。
国産タイヤ10点 アジアンタイヤ9点
静粛性
ミネルバを装着してはじめて乗った時に、うわーやっちまったか。と思わず独り言が出るくらいのロードノイズを感じました。
時速40キロを超えたあたりからビルの谷間を抜ける風の音というか、地下鉄が近付いてきてる時の音とくか、ヒューーーっていう風切り音のような音がします。
ルマン5はサイレントコア(特殊吸音スポンジ)搭載ってことで、これはかなり差の付く結果になるのではとおもいながらルマン5を装着して走ってみると、
なんと!
ルマン5も結構うるさいという結果にw
ただ、音質というか音程というか、良くあるタイヤの音って感じなので聞き慣れているせいかあまり気にはなりません。
スマホアプリの騒音計を使ったタイヤノイズ計測もやってみました。
対向車が来ず平坦で外部の音がない田舎の農道で、速度は60kmにクルコンで固定。
スマホの位置も固定。って感じで計測してみたところ、
ルマン5 → 65~68デシベル
ミネルバ → 62~65デシベル
逆か!という結果に。
同じ日にどちらも2回ずつ走って同じ結果だったので間違いないと思います。
機械の数値はルマン5の方がうるさい結果だったけど、やっぱちょっとだけミネルバの方が気になる音でした。
国産10点 アジアン8点
走行安定性・グリップ
高速道路を走ってみてミネルバの方がドッシリしていて安定性が高いと感じました。
高速で燃費計測中に滝雨に当たりましたが、ウェット路面も全く問題ありません。
ハンドルを据え切りした際、明らかにミネルバの方が重く感じるので狭い場所でハンドルを切り返す際は疲れますが、グリップは良いのではないかと予想。
国産8点 アジアン10点
乗り心地
ミネルバは総じて固め。
小さい段差でも「ドン」っていいます。
対するルマン5は「ポコン、パコンパコン」というような感じで小さい段差を小気味よく吸収してくれます。
ただ、これが大きい段差になるとミネルバはあまり変わらず「ドン!」なんですが、ルマン5は「ガン!」という痛々しい音と大きな衝撃で、ドラレコの衝撃感知した際の自動録画がよく誤作動します。
ちょいオーバースピードでカーブを曲がる時、ルマン5の方がロールを抑えて楽に曲がれます。
信号が変わるタイミングが微妙でちょっと急ブレーキ気味で停止する際、ミネルバの方が前につんのめる感が強いです。
国産10点 アジアン7点
コスパを考慮した最終結論
国産タイヤ | アジアンタイヤ | |
デザイン | 10 | 10 |
実測燃費 | 10 | 9 |
静粛性 | 10 | 8 |
走行安定性・グリップ | 8 | 10 |
乗り心地 | 10 | 7 |
合計点 | 48 | 44 |
国産代表ダンロップルマン5 48点
アジアン代表ミネルバF205 44点
それぞれメリット・デメリットありますが、それほど大きな差はないし致命的な欠点もありませんでした。
同じ値段だったら国産タイヤを選ぶ人の方が多そうですが、アジアンタイヤは半分以下の価格で買えます。
ダンロップ ル・マン5 235/50R18を4本、某大手カー用品店で見積もりをもらったら1本24,100円、4本で96,400円、取付組換工賃を含めると10万円を超えました。
それに対してミネルバF205は工賃含めても4万円弱。
性能は僅差。
価格差は2.5倍。
耐久性・耐摩耗性はまだこれからですが、アジアンだからといって極端に減りやすいというレビューも見たことがないので問題ないと思っています。
オートウェイなら商品レビューが多いのでタイヤ選びがしやすいですし、提携取付店に直接送ってもらってタイヤ脱着、組み換え、ホイールバランス調整まで全て込みの一律料金なので安心して輸入タイヤを購入できます。
個人的には国産を応援したい気持ちが強いし、やっぱ国産タイヤでしょ!って言えるような結果にもちょっとだけ期待してたんですけどね。
性能と価格をトータルで考えたら完敗です。
私のおすすめは輸入タイヤ。
次も輸入タイヤを買うと思います。
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